十五話 スツールを作る②
前回はスツールの脚部の製作についてお話ししましたが、今日は続きですね。
早速始めましょう!
作った脚をつなげる部材ですが、
このような加工を施します。今回ノコギリで切ってますので、手間はそれなりにかかりました。
そして前回脚に掘った穴に入るようにするのが大事です。それもただ入るだけでなく、適度にきつくしないと、接着剤を使っても長い年月が経つと離れてしまう可能性があります。きつすぎず、ゆるすぎずというのが難しいところですね。
そして下の写真は先ほどの加工前の写真です。イメージとしてはこんな感じになるわけですが、このまま脚を組んでも完成はしません。ここでもう一つ重要な加工をします。
次は先ほどの脚と脚をつなげる部材を下の写真のように加工します。
写真奥の回転している刃を手前に引くことで、写真手前の材料を切り欠いでいきます。
そしてできたものがこちら。
ようやく脚の材料が用意できましたね。あとはこれをかんなで削って表面を仕上げます。写真はありませんが…。
それではこれで組んでいけるのか。いや、もう少し加工しましょう。
今回はこのような丸みを帯びたかんなで曲線を作っていきます。
脚の外側に向く面を丸く削りました。
細かいことではありますが、完成したときにこういう部分が『差』になって表れるので実は欠かせないのです。
これで部材は揃ったので組んでいきます。
長く使えるものにするためにボンドをしっかり入れるのが大事。
これをサンドペーパーで綺麗に仕上げます。そしてそれをさらに組むわけですが、それはもう少し後の話です。
今日のところはここまで。
わかりにくい説明かもしれませんが、読んでいただいてありがとうございます。次回は座面の製作の様子を紹介していきたいと思います。
それでは。
十四話 スツールを作る①
こんにちは!
ポツポツしかブログを書かない間にもう年の瀬ですね。びっくりです。
もうそろそろ大掃除の時期で新たに模様替えなどを検討する方もいらっしゃるかもしれません。
私のまわりでも、ダイニングテーブルを新調して綺麗なリビングダイニングで年越しを迎える方がいらっしゃいます。特にその方に何か作って収めたわけではありませんが、やはり新年を迎えるにあたって何かを新調するというのはいい気分転換になりますね!
さて、年末を迎えて繁忙期真っただ中の我が木工所ですが、間を縫ってポツポツと家具製作をしております。と言いますのも、2020年からネット展開を考えております。
読者の少ないこのブログで発信しても宣伝効果は皆無なわけですが、細々でも挑戦してみようと思っています。予定としてはハンドメイド専門の『minne』さん。ハンドメイド作品を広く展開していらっしゃるようで、家具の他にもアクセサリー、衣料などたくさんおしゃれなものが並んでいます。そこにお邪魔しようか、と検討中です。
ほかにもどこか販売できるところをご存じの方にはぜひ教えていただきたいです。詳しくはまた決まってからお伝えしますね。
では本題です。
スツール、という言葉を聞いてイメージできるでしょうか?
最近は耳にする回数も増えてきたかもしれません。背もたれのない椅子のことだそうです。座るのはもちろん、台にしたり、飲み物を置いたり用途は様々。かさばらず、インテリアとしておくのもアリな万能選手です。
今回はそのスツールを作るわけですが、やはり木目を生かしたものをお届けしたいと考えています。と言いますのも、木は自然のものです。木目一つ一つが違うもので、そこには一点物の価値があると思います。同じ材料でも全く違う表情を楽しめますので、それを全国の方々に感じていただくのを一つの目標としているのです。
では製作開始です。
まずは脚から。
必要なサイズの木材を準備して墨付けです。これは脚の形を実際に材料に書く作業です。
あらかじめ作っておいた型を使って墨付けです。
うっすらですがこんな感じ。
続いてこの墨の通りになるように切っていきます。
カーブに切るところは糸のこを使います。
墨を少し残してだいたいの形になりましたね!
これをベルトサンダーという機械で綺麗な曲線に成形していくのですが、そのベルトサンダーがDIY用でみなさんにお見せするのは恥ずかしいので写真は撮ってないです。
というわけで続いて脚と脚をつなぐための加工に入ります。
このように穴を掘って、それに合う凸を用意する『ほぞ加工』です。そしてできたのがこちら。
そして脚の完成イメージが下の写真です。
なんとなく完成形が頭に浮かんできたでしょうか?
今日のところはここまで!
次回はまた近々作業が進んだらその都度書いていこうと思います。
脚の完成~座面の製作まで書けると思います。それでは!
十三話 お値段以上!あの家具屋さんと自作の家具に思うこと
”街の家具屋さんがどんどん閉店に追い込まれている”
そんな記事をネットで見ました。
一番大きな理由は『お値段以上~』でお馴染みのニトリ。
安く、本当にお値段以上の品質を提供する素晴らしいお店なんですが、当ブログはそのニトリのいいところを紹介するはずがありません。
ニトリは雲の上の存在ですが、決して味方ではないですからね。
記事の中で先ほどの街の家具屋さんの件は、婚礼家具の需要の低下によるところも大きいと書いてありました。もちろん、この時代に婚礼家具をもって嫁にいく人はほとんどいませんよね。うちでもそういったものは作ってません。
しかし、日常生活で使う家具や小物までもニトリで安く揃うと来たら街の家具屋さんは厳しいですよね。
そんな家具業界ではやはりニトリがシェアを占め、お家騒動の大塚家具、無印、ナフコなどが続いているようです。私のように細々とやっている者はこのシェアの『その他』にも入ってないでしょう。
さて、ニトリのいいところですが、商品の企画~仕入れ、生産、プロモーション、販売、発送まですべて自社グループで行っているので低価格を実現できているところです。そのうえ、値段の割にクオリティが高い…。そして豊富な品揃えですね。
実は私もよく利用するのですが、キッチン関係や風呂回り、布団など本当に重宝しています。布団は軽くて暖かいし、マットレスもしっかりしていて寝心地もいい。食器はほとんどニトリで揃えたくらいです。品ぞろえの多さもですし、生活の細かいところまで行き届いていて、30年以上増収増益というのも納得です。
まるで回し者のように絶賛してしまいました…。
でも何にしてもいいところばかりではないですよね?
ニトリは本当にいいものを揃えてますが、一つだけ言いたいことがあります。家具についてです。
これだけ絶賛するわけですから、もちろんニトリの家具も購入したことがあります。私個人の感想ではありますが、『お値段通りだな』と思いました。買ったのはTV台で、値段は4000円くらいだったと思います。̚形にはなってますが、仕上げが雑で̚カドは尖ってますし、グラグラするし、まぁこんなもんか、という感じでした。これで何年もつかなぁと考えていたら3年で変える羽目に…。
いつの間にか家具は使い捨てになってしまったようです。
ちょっと悲しいですね。
そこから自分が作る家具はもっと細かいところに気を配ろう、何十年単位で長く使ってもらえるものを作ろうと決めました。ただお値段はそこそこになってしまうのですが。
長々と語ってしまいましたが、なんといってもニトリはいいお店。
家具に関する満足度では負けないつもりで、これからも頑張ろうと思ったところです。
それでは。
十二話 何を重視するのか悩むところ…。塗装の話
十話で少しだけお話ししましたが、今日は塗装の話です。
塗装と言っても種類は様々…。
しかし家具や建具の塗装となると割と限られてくるかと思います。今日はその中でも私まるぞうが実際に使用しているものをご紹介します!
・ウレタン塗装
こちらは化学塗装の一種。スプレーガンで吹き付けをしますが、吸い込むと体にはよくないですね。乾いてしまえば体への害はかなり低減します。
木の表面に膜を張るのでツルツルのスベスベな肌触りです。耐久性も家具塗装の中では高いので、メンテナンスも数年に一度でオッケー。傷もつきにくく、扱い安い塗装です。
ただし、一度塗装が剥げてしまうと自分で直すのが困難。業者にお願いすることになるとそれなりに費用も掛かってしまいます。数年に一度なら安い…!?
・オイル塗装
こちらは自然塗料の一種。オイルフィニッシュなどと言われたりしますね。自然由来の成分からできているので体への害はかなり少ないです。布などで木部に塗り込んで染み込ませるようにします。ウレタンとは違い、染み込ませるので膜は張らず、濡れ色になりしっとりとした質感で木の肌触りを楽しむことができます。
ただし、乾燥に少し時間がかかるため工期にお時間をいただきます。また、ウレタンと違い塗装の耐久性が低く長持ちしません。1年に一度程度の塗りなおしが必要になってきます。(誰でも簡単にできます。)
ちなみに私が使用しているのはこちら。
塗りムラになりにくく誰でも簡単に扱えます。
買っていただいたお客様自身が使いやすい塗料の方がいいだろうということでこちらを使用していますが、モノ自体がとてもいいもので、値段も比較的安価なので、気になる方はネットで調べていただきたいです。いいレビューがたくさんあると思いますよ。
・ワックス塗装
こちらは現在は行っておりませんが、今後導入を検討している塗装法です。
オイル塗装と近いものではありますが、オイル塗装は木目や色が際立つのですが、ワックス塗装は浸透せず表面に留まります。なので濡れ色にはならず、無塗装に近いサラッとした仕上がりになります。
塗装の紹介は以上です!
個人的には木目を際立たせたいのでオイル塗装が一番好きですし、おすすめしたいです。メンテは面倒くさいですが、自分ですることで愛着も湧いてくると思いますよ。無垢家具なら汚れがついても味になりますし、長く大切に使っていけるのではないでしょうか?
それではまた!
十一話 実験結果 木の焼けの話
こんにちは!
今日は早速7月から始めた実験の結果を紹介していきます!
ドン!
光の具合で左側が白けてますが、どちらも左側に比べて右側のほうが濃い色に変わっていっているのがわかりますね。また、上のタモはオレンジ色、ササフラスは茶色っぽく変化しています。元の木の色が似ていても、焼けることによって違いがでてくるのです。
このように紫外線を浴び続けることで色が濃くなり、木としての”味”が出てくると言ってもいいと思います。今回は3か月間で常に直射日光を当て続けた結果なので焼けるのも早かったわけですが、室内に置いていても少なからず焼けは起こります。長い年月をかけてゆっくり変化していくのを楽しむのも無垢家具の魅力だと思います。
今回はタモとササフラスを使って実験しましたが、またどこかで他の木を使った実験もやっていけたらと考えています。
3か月も時間をかけた実験ながら、すごくあっさりした文章になってしまったような…。もう少し伝えたい気持ちがあふれ出るような文章が書けたらいいんですけどね。頑張ります!
それでは、また!
十話 存在感あふれるローテーブル
こんにちは!最近島根県はすっかり涼しくなりました。
みなさんのお住まいの地域はいかがでしょうか?
さて、今日はようやく家具の紹介をしていきたいと思います!
前に『ラワンTVボード』を紹介しましたが、完成には買っていただいた方のお力が必要でした。(八話)しかし今回は完成品です。
今回紹介するのは『ローテーブル』です!
ローテーブルという名前で紹介しましたが、いろいろなネットを見てみると
・ローテーブル
・コーヒーテーブル
・センターテーブル
・リビングテーブル
など様々な名前がありましたが、ブログ『人×家具』ではおおよそ似たものとして扱っていきたいと思います。
それでは今回紹介するのはこちら!
木目たっぷりササフラスのローテーブルです!
最大の特徴はこの荒々しい木目を剥ぎ合わせた天板です!天板の厚みもありますし、脚もしっかりつないであるのでデザイン性と強度どちらもバッチリです!
こうして見ると派手すぎると感じる方もいるかもしれませんが、木目は荒くとも色は落ち着いているので存在感はありつつも主張し過ぎないところもおすすめポイントです!
脚も天板もがっちり作ってあるので強度は十分にあります。が、上に登るなどテーブルとして以外の使い方は絶対にやめてくださいね。
木目も色合いも緑色にものすごく映えますね!観葉植物などもとても合うと思います!
あとは仕様についてですが、こちらの作品はササフラスの無垢材100%に自然塗料を使ったオイル仕上げとなっています。自然塗料についてはまだブログには何も書いておりません。後日書きますのでお待ちください…。
ただ簡単に書きますと、自然由来の原料を使った塗料なので体に悪い成分がほぼ入っていないというものです。匂いは多少ありますが、時間とともになくなります。また、木の質感を損なわないので無垢材の塗装に向いていると思います。
今回のローテーブルいかがだったでしょうか?
リビングの真ん中にこのようなテーブルを一つ置くだけでも部屋の感じがかなり変わると思います。検討してみるのもいいかもしれませんね!このブログがそのきっかけになれたらありがたいことです。それでは。
ササフラスローテーブル
幅762mm
奥行475mm
天板上面高さ380mm
九話 実験途中経過9月27日
こんにちは!
今回は家具を紹介する予定でしたが、次回まで少々お待ちくださいね。
先に実験の途中経過を報告しようかと…。
今度は『2ヶ月』と記入して…、
新聞を巻きつけて完了です!
これを開放するのは1ヶ月後の予定です。
木は日光でどの程度焼けるのか、木によって焼けの違いはどの程度違うのか、来月を楽しみにしましょう!
初めて読まれた方は「何してるの?」と思われるでしょう。興味がありましたら六、七話をお読みいただけたら、と思います。
それでは、また次回です!